特定技能外国人の再雇用を簡素化する国交省の新手続き
目次
1.建設特定技能外国人の「脱退一時金」手続きの手間と時間
建設業界では、人手不足や技能継承の課題に対応するため、特定技能外国人の受入れが進められています。しかし、特定技能外国人が一時的に帰国する場合、再雇用するためには従来の手続きでは時間と手間がかかっていました。
建設特定技能受入計画のオンライン申請で、新たな認定を受ける場合、申請から4ヶ月以上、長くて8ヶ月などかかる例もありました。
脱退一時金申請のために一旦退職して、認定を受けて再入国し就労が再開されるまで4ヶ月〜8ヶ月かかってしまうということです。
それでは外国人も企業も困ってしまいます。
そこで2023年11月25日から「再雇用申請」が導入されたのです。
2.建設特定技能受入計画、オンライン申請での「再雇用申請」の導入
そこで、国土交通省は、特定技能外国人の再雇用を簡素化する新しい手続き「再雇用申請」を導入しました。
このコラムでは、「再雇用申請」の内容とメリットについて解説します。
2-1.「再雇用申請」について
「再雇用申請」とは、1号特定技能外国人が退職し、再度退職前と同じ会社で就労するために必要な手続きです。以下の条件を満たす場合に利用できます。
具体例:出国時の外国人の 状況
①雇用契約:継続中(退職していない)
②社会保険:加入中(脱退していない)
③1号特定技能の在留資格を保持(単純出国していない)
a)①~③全てに該当している場合
→国交省への手続きは不要→再入国後、就労再開
b)①~③に1つでも 該当しない項目があり かつ、雇用契約の内容に変更がない場合
→国交省の外国人就労管理 システムで「再雇用申請」を行う→再入国し、就労再開後一ヶ月以内に 受入報告を行う
c)①~③に1つでも 該当しない項目があり かつ、雇用契約の内容に変更がある
→国交省の外国人就労管理 システムに「退職報告」を行う→再入国し、就労を開始するためには 新たな認定計画が必要
従来の脱退一時金手続きの場合、c)の選択肢しかできなくて、新たな認定計画を受けるまで、4ヶ月以上かかりました
今後は、b)の選択肢が増えましたので、脱退一時金手続きによる帰国でも、就労条件が変わらなければ、短期間での就労再開ができるようになります。
「再雇用申請」を利用する場合、国交省外国人就労管理システムで「退職日」「再雇用予定日」を入力し、認定を受けます。認定までの期間は2週間から1ヶ月です。外国人が再入国し、就労を開始したら、受入報告を行うことで手続きは完了です。
2-2.「再雇用申請」のメリット
新たな認定計画を受ける必要がないため、時間と費用が節約でき
脱退一時金手続きなどで帰国した場合でも、短期間での就労再開が可能になります。
3.まとめ
定期昇給による基本賃金の上昇は、契約の変更にはあたらないため、再雇用申請の対象となる
「再雇用申請」は、令和5年11月25日からシステムから申請の受付を開始しました。
詳細については、国土交通省のホームページや添付のPDFをご覧ください。特定技能外国人の再雇用を検討されている受入企業の皆様は、ぜひこの新しい手続きを活用してください。
※参照:国土交通省 建設特定技能受入計画のオンライン申請について
【再雇用申請】https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001709561.pdf
この記事の担当者:おつる
Webライター歴1年で外国人職業紹介マッチングサイト「バンベージョブ」でコラムを書いており、サイトの運営責任者も兼ねています。
ラーメン二郎が好きです。
マルエツのハンバーグが好きです。
好きな作家は山崎豊子と池井戸潤、司馬遼太郎です。
好きな漫画は「島耕作シリーズ」「黄昏流星群」