外国人雇用に関する助成金の活用
目次
1.助成金と補助金の違い
助成金と補助金は、どちらも国や地方自治体、民間団体から事業主に対して支給されるお金です。しかし、助成金と補助金には、いくつかの違いがあります。
助成金は、事業主の負担を軽減したり、事業の拡大や改善を促進したりするために支給されます。補助金は、事業の実施を促進するために支給されます。 上記のことから「助成金」と「補助金」の違いは財源に違いが出てきます。 助成金は厚生労働省、補助金は経済産業省の管轄となります。
外国人雇用に対する支援策は、厚生労働省、経済産業省それぞれから打ち出されていますので、
外国人材の雇用にあたって有効活用できるとよいでしょう。 また、自治体の取り組みは外国人の生活を支えるものが多く、日本語の教育などに予算がつけられていることがありますので、こちらもよく確認しておくことをおすすめします。
助成金は、返済不要です。補助金は、返済が必要な場合があります。
補助金も助成金も基本は申請が必要です。
※一部補助金は、申請不要な場合があります。
補助金も助成金も基本は後払いになります。
※一部補助金は、前払いである場合があります。
助成金と補助金は、どちらも事業主にとって大きなメリットがあります。しかし、助成金と補助金には、いくつかの違いがあります。助成金と補助金を活用する際には、これらの違いを理解しておくことが大切です。
2.助成金の活用
助成金は、国や地方自治体、民間団体から事業主に対して支給されるお金です。助成金には、雇用保険を財源としているものもあれば、税金を財源としているものもあります。 助成金は、事業主の負担を軽減したり、事業の拡大や改善を促進したりするために使われます。
助成金の活用には、いくつかのメリットがあります。まず、助成金は事業主の負担を軽減することができます。助成金は、事業に必要な費用の一部を補助してくれるので、事業主は自分で費用をすべて用意する必要がありません。また、助成金は、事業の拡大や改善を促進することができます。助成金を活用することで、事業主は新しい設備や技術を導入したり、新しい人材を雇用したりすることができます。
助成金の活用には、いくつかの注意点もあります。まず、助成金は申請が必要である点です。助成金を申請するには、助成金の対象となる事業を行うこと、そして助成金の申請要件を満たしていることが必要です。また、助成金は後払いである点です。助成金を申請した後、助成金の交付が決定されてから、実際に助成金が支給されます。
助成金の活用を検討している場合は、まず助成金の対象となる事業を行うか、助成金の申請要件を満たしているかを確認する必要があります。また、助成金は後払いであるため、事業に必要な費用は自分で用意する必要があります。
3.厚生労働省の助成金を受給するための条件
厚生労働省の各種助成金を利用するための条件は、雇用保険に加入している事業所であること
そして助成金を受給するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 助成金の対象となる事業主であること
- 助成金の対象となる事業を行うこと
- 助成金の申請書類を提出すること
- 助成金の審査に合格すること
助成金の対象となる事業主とは、以下のとおりです。
- 中小企業事業主
- 小規模事業主
- 特定非営利活動法人
- 社会福祉法人
- 公益社団法人
- 公益財団法人
助成金の対象となる事業とは、以下のとおりです。
- 雇用の創出
- 雇用の安定
- 労働条件の改善
- 仕事と家庭の両立支援
- 人材育成
- 安全衛生対策
- その他、厚生労働省が定める事業
助成金の申請書類は、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードすることができます。 助成金の審査は、厚生労働省の担当者が行います。助成金の審査に合格すると、助成金が支給されます。
助成金の支給額は、助成金の種類や事業内容によって異なります。 助成金の支給額については、厚生労働省のウェブサイトから確認することができます。
厚生労働省の助成金は、事業主の経営を支援するためのものです。助成金を利用することで、事業主は、雇用の創出、雇用の安定、労働条件の改善、仕事と家庭の両立支援、人材育成、安全衛生対策などの取り組みを進めることができます。
4.外国人雇用のための助成金
外国人の雇用に使える厚生労働省の助成金は数多くあります。
4.1 トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
・目的:職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者(過去に就職経験がない方、フリーターの方など)を雇用する場合。
・対象者: 一定期間の試用雇用(トライアル雇用)をする、雇用保険適用事業所
・条件:ハローワークや職業紹介事業者等の紹介後、一定期間試行雇用をした場合に助成金を受けることができる。
・金額:1人あたり月額最大5万円(最長3ヵ月)。
手続き方法:管轄の労働局、ハローワークで申請。
4.2 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
目的:外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行うため。外国人労働者の職場定着のため経費の一部を助成。
対象:以下の条件を満たす事業主
条件:外国人労働者に対する就労環境整備措置を新たに導入し、外国人労働者全員に対して実施すること。就労環境整備計画期間終了後の一定期間経過後、外国人労働者の離職率が10%以下であること等。
支給対象経費の1/2(上限額57万円)。なお、生産性向上の取り組みを支援する「生産性要件」が設定されており、生産性の伸び率が要件を満たしている場合は、助成金が支給対象経費の2/3(上限額72万円)に増額。
手続き方法:管轄の労働局、ハローワークで申請。
外国人労働者の職場定着のために助成金を活用しませんか?
4.3 キャリアアップ助成金
目的:非正規雇用から正社員化をするなどの処遇改善に取り組むため。国籍に関する条件はないため外国人社員にも適用可能で、賃金改定や、社内全体の制度の変更目的で申請可能。2022年4月1日以降、有期雇用から無期雇用への転換に対する助成は廃止されました。
対象:以下の条件を満たす事業主
条件:雇用保険適用事業所の事業主であり、キャリアアップ管理者を置き、キャリアアップ計画を作成、管轄労働局長の受給資格の認定を受けていること。計画の期間内にキャリアアップに取り組んでいること。
金額:コースによって異なる。生産性向上の取り組みを支援する「生産性要件」を満たすと助成金額が増額。生産性要件を満たした中小企業が最も高い金額を受給できるように制度設計されています
キャリアアップ助成金の種類
正社員化支援
正社員化コース
障害者正社員化コース
処遇改善支援
賃金規定等改定コース
賃金規定等共通化コース
賞与・退職金制度導入コース
選択的適用拡大導入時処遇改善コース
短時間労働者労働時間延長コース
健康診断制度コース(2021年3月をもって廃止)
各コースの助成金額については、厚生労働省の発表している資料をご覧ください。
4.4 キャリアアップ助成金 正社員化コースについて
キャリアアップ助成金正社員化コースとは、非正規雇用労働者を正社員化した事業主に対して、助成金を支給する制度です。
キャリアアップ助成金の正社員化コースでは、1人あたり最大60万円の助成金が支給されます。
助成金の金額は、正社員化した労働者の年齢や経験、正社員化後の賃金等によって異なります。 たとえば、25歳以上の正社員化した労働者を正社員化した場合、助成金の金額は36万円です。また、25歳未満の正社員化した労働者を正社員化した場合、助成金の金額は24万円です。 キャリアアップ助成金の正社員化コースを申請するには、厚生労働省のウェブサイトから申請書をダウンロードし、必要事項を記入して提出する必要があります。
申請書の提出期限は、正社員化した日の翌日から1年以内です。
助成金を申請するには、次の条件を満たす必要があります。
- 常時雇用する労働者の数が100人未満であること。
- 正社員化した労働者が、正社員化前の期間の平均賃金よりも高い賃金で雇用されていること。
- 正社員化した労働者が、正社員化後6か月以上継続して雇用されていること。
助成金の申請は、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできる申請書に必要事項を記入して、管轄の労働局に提出することで行います。
キャリアアップ助成金正社員化コースは、非正規雇用労働者の正社員化を促進するために、非常に有効な制度です。非正規雇用労働者を雇用している事業主は、キャリアアップ助成金正社員化コースの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
また、キャリアアップ助成金の申請手続きは、複雑な場合があります。そのため、申請手続きに不安がある場合は、社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。
4.5 助成金や補助金を詳しく調べるサイト
助成金や補助金を詳しく調べるサイトで、J-Net21があります。
J-Net21は、中小企業庁が運営する中小企業向けのポータルサイトです。補助金や助成金、融資などの支援情報のほか、経営に関する情報やセミナー情報など、幅広い情報を提供しています。
J-Net21の活用方法は、以下のとおりです。
- 補助金・助成金検索
J-Net21では、補助金や助成金の検索が可能です。検索条件は、補助金・助成金の種類、対象業種、補助金額、申請期間などから指定できます。
- 経営情報検索
J-Net21では、経営に関する情報も提供しています。経営情報は、経営戦略、マーケティング、人材育成、生産性向上など、幅広い分野をカバーしています。
- セミナー情報検索
J-Net21では、セミナー情報も提供しています。セミナーは、経営戦略、マーケティング、人材育成、生産性向上など、幅広い分野をカバーしています。
J-Net21は、中小企業の経営者や経営幹部にとって、経営に関する情報や支援情報を効率的に収集できる貴重なツールです。
中小企業経営者にとって有益な情報が盛りだくさんです。
ぜひご活用ください。
5.まとめ
今回は、外国人雇用に関する助成金制度について紹介しました。
外国人の採用や定着、育成には手間や時間がかかりますが、国による経済的な支援策や、情報提供などの支援制度をうまく使いこなせば負担を軽くすることが可能です。
外国人雇用には、国の助成金や補助金などの支援制度を活用しましょう。
この記事の担当者:おつる
Webライター歴1年で外国人職業紹介マッチングサイト「バンベージョブ」でコラムを書いており、サイトの運営責任者も兼ねています。
ラーメン二郎が好きです。
マルエツのハンバーグが好きです。
好きな作家は山崎豊子と池井戸潤、司馬遼太郎です。
好きな漫画は「島耕作シリーズ」「黄昏流星群」